脚はリンパマッサージで細くならない

脚を細くする方法にはリンパマッサージがありますが、リンパマッサージには脚痩せの効果がほとんどないと考えておいた方がよいでしょう。

また、ちょっとしたリンパマッサージ程度では悪影響もないとは思いますが、リンパマッサージも丹念にやりすぎるとセルライトが悪化する可能性もあります。

なぜリンパマッサージに脚痩せ効果がないのかを解説します。

なぜ脚にむくみが発生しやすい?

脚はむくみが特に発生しやすい部分ですが、体の構造上、上半身よりも下半身にリンパ液が滞りやすいからです。

血液が血管を通して全身を流れているように、リンパ液はリンパ管を通して全身を流れています。だけど、血液とリンパ液の循環システムには大きな違いがあります。

その違いとは、ポンプ機能があるかないかです。血液は心臓というポンプ機能によって強制的に全身を流れています。だけどリンパ液の場合は血液に対する心臓のようなものが存在しません。

これがまず脚にリンパ液が滞りやすい1つの理由ですが、もう1つ理由があります。

それは、全身を流れたリンパ液を回収する場所が体の上半身に位置するからです。

リンパ液は全身を循環した後、心臓くらいの高さに位置する胸管と右リンパ本幹を通じて静脈へ回収されます。

脚のリンパ液を静脈へ戻すためには、体の心臓くらいの高さまでリンパ液が流れる必要があるのです。

リンパ液は上半身から下半身へは容易に流れますが、下半身から上半身へは流れにくい理由があります。それは重力です。

リンパ液を流すためのポンプ機能もないし、さらに重力に邪魔されるため静脈に回収されにくいのです。

だからリンパ液は脚に停滞しやすく、脚にむくみが発生しやすいというわけです。

マッサージにリンパ液を流す効果はほとんどない

まず、マッサージをしてもリンパ液を流す効果はあまり期待できない、ということを考えておく必要があります。

その1つの理由は、上で書いたように重力が邪魔するからです。

ちょっとイメージしてみてください。上下の方向に細長いビニール袋の中に水を入れ、マッサージするように手で下から上へ水を移動させようとしても難しいはずです。

脚のリンパマッサージにもこれと同じようなことが言えます。もしリンパマッサージで脚のリンパ液をお尻の高さ位まで押し上げたとしても、反対方向のリンパ管を通して上半身のリンパ液が脚に流れ下りてきます。

一方を押し上げても一方から下がってきて、これがいたちごっこのように続くだけです。

リンパ液を流しても脚が細くなることはない

もしリンパマッサージで脚のリンパ液を流すことに成功したとしても、根本的に脚を細くするような効果は期待できません。リンパ液の停滞は一時的な現象にすぎないからです。

だから、もしリンパマッサージで脚が細くなったとしても、それは数時間程度の間の現象、長くても当日限りの一時的な現象に過ぎません。

毎日毎日リンパマッサージを繰り返したとしても、脚痩せ効果は数日間にわたって蓄積されないということです。脚痩せ効果(がもしあったとしても)はリンパマッサージの日数に比例しないということです。

脚のむくみを改善する簡単な方法

脚のリンパ液を流してむくみを改善したいなら、脚の位置を高くして寝ることです。そうすると逆に重力が味方となり、脚のリンパ液が上半身の方向へ流れてくれます。

また、運動(軽いウォーキングなど)にもリンパ液を流す効果があります。

先ほどリンパ液には心臓に相当するポンプ機能がないと言いましたが、筋肉が間接的にポンプ機能の役割を果たしています。

運動すれば筋肉が収縮したり弛緩したりしますが、これがリンパ液を流すのです。